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91.11.29(金) ISTANBUL、フランクフルト

6:30AMモーニングコール。二日酔いと寝不足の辛い一日が始る。 本日は団体行動。バスで新市街地のモスクをまず見学。 クリチュアリ・パシャ・ジャーミ - KILIC ALI PASA CAMII - より始る。
ミマル・シナン設計のそのモスクには中庭はなく、変形された前庭空間と拝殿的な大きな庇に覆われた前室空間が特徴的だ。 敷地の制約からそのような解に至ったのであろうがなかなかうまいと感じさせるものだ。(しかし泉の上屋は少し大きすぎた)ここでもモスク内部には闇の空間がある。都市建築としてのモスクといった趣か。ここも雨が漏ったのだろう。一段目の屋根より上部の外壁部は鉛で覆われていた。

その後道並びの NSURETIYE CAMII とオルタ村の BUYUK MECIDIYE CAMII(オルタ・キョイとも言うらしい)を訪れる。 どちらも富豪が建立した物らしく個人的な趣味性が高く、興味を引かなかった。キリスト教教会のバロック、ロココの趣味が悪いたぐいと同じく、嫌悪感をも感じさせる物だ。 ガイドによると、モスクなる建築物は一民間人がいくら金を出して建てようと国に寄付が義務付けられ公の建物となるそうだ。また、現在イスタンブールのモスクの中で現役の礼拝堂として使われているのはオスマントルコ帝国以降に造られた物で、それ以前のキリスト教会堂から転用された物は、博物館などとして使われ(アヤ・ソフィア、カーリエ・ジャーミなど)、実際の礼拝には使用されていないとの事。 イスラム教 VS キリスト教の感情の一端が現れているようで興味深い。

旧市街地に渡りシュレイマニエ・ジャーミ - SULEYMANIYE CAMII - を訪れる。 ミマル・シナン設計のイスタンブール最大のモスクである。 キュイリエと呼ばれるモスク、学校、病院などの複合施設で一つの丘の上を占める。よってモスク周囲には付属施設的な建物が多く存在し、それらの建物も十分1級に値する物だ。とにかくドーム、ドーム、ドームなのだ。シュレイマニエ王の権力が強大であったと言う事か。 ほとんど時間がなくはなはだ残念。

最後にトプカピ宮殿を訪れる。 宮殿内部の建物は全て観光用の博物館や展示館に使われている。(新市街地にある新しいドルマバチェフ宮殿に移っている) 興味深かったのは、謁見の間、バグダットパヴィリオン、サーカムシジョンパヴィリオンの軒空間とハーレムである。 2〜3m跳ねだした軒先は極力薄さが強調され、しっかりと造られた、主に大理石仕上げの本体との間に微妙なバランス関係が生れている。 バランスの取れたアンバランスとでも言えようか。

イスラム建築の特色の一つはこの点にあるかも知れない。石や土といった重量感のある素材で形づけられた本体に、優雅なアーチや文様等で柔らかさを醸し出す表面、そして繊細なディテールが組合わさり、微妙なバランスのもとに全体像が形成されている。 ハーレムは権力者の欲望に満ちた場所だ。装飾で埋め尽され、今となってはその豪華さ故に、はかなさの方を感じてしまう。ミマル・シナン設計と言う事であるが、タイル、ガラス、レリーフなど全てに執拗なまでに手が加えられ個々には美しいと思うが、それらが総体でインテリアとなったとき、とても馴染めるものではない。随所にパティオなどの外部空間が配されてはいるが、内部と外部の連続性は特に考えられていない。
門を入ってすぐの所にかつての厨房棟であった建物が今、陶器美術館として開館されている。煉瓦造で排気塔が規則正しく立上がる建物のインテリアは煉瓦がむき出しで現れており、豪快でダイナミックだ。 このトプカピ宮殿を最後にイスタンブールの視察は終了する。 盛りだくさんの足掛け三日間であった。名残惜しい。

その日の内にフランクフルトへ飛ぶ。 旅行中何度かフランクフルトへ立寄るが、あくまで移動のための拠点地であり視察がないのが残念である。この日も調整のため一泊するのみであったが、しばし夜の街を散策する。 イスタンブールは寒かったがこちらは特に寒いとは感じない。日本の冬より少し寒いと言うところか。

旧市役所前のDOMER広場へタクシーでいく。あのギザギザ型のスカイラインで有名な広場だ。こちらはキリスト教の世界。クリスマスの飾付け、イルミネーションが美しい。屋台がたくさん出ていたがもう10:00PMで閉店。余り時間もなくマイン川を渡り、繁華街(飲屋街)ザクセンハウゼン - SACHSENHAUSEN - でビールとソーセージそしてハムを賞味する。土間、木の長椅子とテーブルという質素な造りのBARであるが、ドイツらしいインテリアであった。 ビール(小瓶)3本と料理一皿で一人1,500円弱。こんなものか。

Kilic Ali Pasa Camii
ドーム見上げ

 

Suleimaniye Camii
ドーム見上げ

 

Topkapi 謁見の間

 

Topkapi サーカムシジョン

 

Ahmet 。 Cesmesi

 

 

 

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Last Update 00.06.17