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90.06.27(水) BOSTON

なごりを惜しみながらN.Yを後にしボストンに到着する。
空港よりダウンタウンに入るや否や、アメリカの歴史ある、風格を備えた街のイメージは消え去った。ここも新しい開発の波に侵されていた。 唯一ビーコンヒルとチャールズリバーに面したバックベイエリアに面影が残っているのみである。これらのエリアをゆっくり散策でもすれば、時代を彷彿とさせボストンの印象もまた変わるのであろうが、ここでも主に近代建築を見て廻る。

まずクリスチャンサイエンスセンターへ。ペイの得意とするコンクリートの持つ量 塊性を最大限発揮させたような建築群と古い教会、そして鏡池の総合体である。
何よりもスケールがよいと感じられた。ボストンの市街地における都市広場として、その配置計画、修景計画は見事だ。
鏡池は単に建物を写すものとして在るのではなく、クリスチャンの信仰、そしてこの場所に集う人々の共同体を象徴するものとして、見事に機能していると感じられた。すべてのものが過不足なく在り、心地よい緊張感が支配している空間であった。
もう一つのペイの建物は、空に溶け込むように建っていた。
ジョンハンコックビルである。
クリスチャンサイエンスのマッシブで量塊感溢れるコンクリートの造形に比べ、軽やかで、美しい結晶体がそこにあった。 ペイとは器用な人だ。と思うとともに、この近代建築路線をひたすら歩み続けてきた彼の作品の前では、”モダニズムは終わった。”なんて軽々しく口にできないと感じられた。

ジョンハンコックに上りボストンの街を俯瞰した後、ファニエルマーケットへ向かう。
ファニエルマーケットは人で溢れていた。
N.Yのサウスストリートシーポートと同じ手によるウォータフロント再開発であるが、水辺とは関係なく成功をおさめているようだ。 後で設計者であるB.トンンプソンのオフィスで話を聞けば特に水辺の開発という意識はなく、都市の荒廃したエリアの再開発をいかに成功させるかに力点がおかれたとの事。そのせいもあり、我々が期待していたものとは少し事情が異なり、道路を隔てた水辺にはホテルもあり、公園も整備されてはいたが、計画性の低さが感じられた。
それにしてもN.Yでもそうであったが、ここでも水辺までは幹線道路(高架道路)で遮られている。埋立の歴史がそうさせるのであろうが、道路をも取り込んだ再開発が望まれる。



John.Hancock



Christian Science Center

Faneuil Market

Faneuil Market

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