礼拝堂へのアプローチが優れている。階段を上りブリッジにて白い堂へ渡るわけだが、水の効果
であろうか、外界とは縁が切れ、次第に自己の精神、自己の信仰心へのアプローチが生まれてくるようだ。
内部は礼拝堂には多い白い球心的な空間だが、螺旋状に上昇するステンドガラスは少しやり過ぎたのではないか。
神を賛美すべく造られたのであろうが、サーリネンのM.I.Tチャペルと比べれば「聖」なる空間が少し「俗」化したようだ。
それにしても、モダニストとしてのジョンソンの作品はやはり魅力的だ。
ポスト-モダニストとしての彼はいったいどう考えればいいのだろうか。
ジョンソンに比べ、あくまでモダニストであり続けるペイにはここでも迷いは感じられない。
彼のシティホールに立ち寄る。
コンクリート打ち放しの大胆で彫塑的なモニュメントである。コンクリート、ガラス、切り石などの素材を器用に扱う彼の作品には、純粋で鋭敏な形態感覚が感じられる。これは天性のものであろう。
(かつて東京オリンピック施設で丹下にも同じ事を感じたが、今、丹下は東京都庁者を創り、ペイは中国銀行を創った。この両巨匠の展開は興味深い。)
その後アトリウムモールの中央交点にスケートリンクを持つショッピングセンター、ガレリアへ行く。建築的には特に新しいものは見受けなかったが、スケートリンクが用意されたプログラムはたいへん興味深かった。
これもディスプログラミングか。
その夜、郊外の日本人のラーメン屋で夕食をする。
まず焼き鳥から始まるそこのメニューはただひたすら美味く、改めて寛容な胃袋を持った時代を懐かしむ。
おかげでミーティングの時間に少し遅れてしまい何度目かの反省をする。
それにしてもダラス郊外には日本人による日本食の店が思ったより多くあった事(店に置いてあったミニコミ紙で知る。)は意外だった。
|