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19.03:春です 春の気配満々、卒業の季節であります。そうなると4年生は一大イベントの卒業研究、卒業制作に大わらわです。 一応関係者として今年も1票を仰せつかりましたので真剣に拝見しました。 卒業研究(論文)はR科ならではの実に多様でユニークな設定が大変新鮮で、また6年目になる蓄積からくる深さも出てきて見応え読み応えがありました。 かたや卒業制作もクロス形式の左右2枚のみでの展示(+模型α)という制約にも関わらず、その完成度は今までで一番です。それも人によってムラが出るのではなく全体のレベルが維持されこの学科が着実に成熟していると感じました。
とまあ、感心ばかりしてたのですが、行きつ戻りつ展示を見る中で自分のベスト5が見えてきました。 かねてより家、住まいの原点原型はどういうものかに興味がありました。原始時代のように衣服もままならない時の掘建小屋では参考にならず、ある程度文明が進んで、そう今の時代でもインフラに頼らずいろんなものをそぎ落とせばどうのような住まい、家になるのか、そういう興味です。 提案は共生がテーマでしたが、まず土の壁(版築)で領域を区切り、そこに木で屋根を掛けるのですが、その土地で手に入る材料で、あくまで人の手によって出来る範囲で、住むことの始まりが示され、「建築は自然と人をつなぐもの」というコピーとコルビュジェばりの5原則もカッコよく、あたかも絵本のページをめくるように展開されます。時間軸の中でその形が変わっていくのですが最後にはまたそれが残る。始まり、終わり、循環していく。ピュアで強い作品でした。 19.03.01 |