25.12:早くも12月です。

はちふく文化GAMO-4

毎年秋には大阪、京都、神戸と関西の建築祭が行われるが今年はどこも行けなかった。
その代わりと言うわけではないですが初めてオープンナガヤ大阪を見てきました。
大阪に残る長屋を新しい暮らしに合わせてリノベーションされた建物が12地区に分かれてオープンされています。
住空間は普段見れないのでどれも興味をそそるものですがその中で写真に惹かれた蒲生4丁目のはちふく文化を見てきました。

外観は木造長屋という木のイメージとは違い、いわゆる新建材風の普通のアパートメントでしたが、内部が実に鮮やかに変身していました。
片廊下式の6軒の住戸が3戸ずつ分けられ、その中央ユニットが吹き抜けて光降り注ぐコモンスペースに生まれ変わっていました。つまり片廊下式6戸ユニット2層が、中央ホール式4戸ユニット2層に変身し、その中央ホールは日常の動線スペースを超えて住人の気軽な挨拶の場であり、お互いの親近感を高める気持ちのいいコモン空間となっています。そしてさらに外部ともスムースにつながることが出来て、地域のコミュニテイスペースにもなってるようです。
さらにもともと2階へのアクセスであった外部階段を上がるとそのホール空間の一部が区画され外部からアクセスする小店舗になってます。
外観は失礼ながら何の変哲も無い普通のアパートですがその見事な空間構成に大変感心しました。

全体のキー空間となるホールはデザインがまた素晴らしい。
中央部を解体して吹き抜けにするため既存材料の切れ端があちらこちらに出てくるわけですが、それらが放置されてるようでありながら計算されたようにピチッと収まっています。また中央の鉄骨階段がスリムな部材が正確にジョイントされ2階床板の半透明ポリカのデティールとともに空間を引き締めており、それらを邪魔することなく的確な耐震補強がされていました。
見事なリノベーションでした。

今日から12月です。暖かい師走の始まりですが今年も1年の早さに驚いています。
お身体ご留意の上良いお年をお迎えください。
25.12.01