23.11:今年の秋晴れは暑いけど気持ちがいい。

濱田由一1/5の世界

知る人ぞ知る家具職人の濱田由一さん。普段は米原の工房で家具全般を製作されてるそうですが、並行して1/5サイズの名作チェアを創り続けてこられた。
ウエグナー、モーエンセン、ケアホルム、ヤコブセンと言った輝かしい北欧の巨匠たちの見事な椅子をミニチュアで製作されている。今やその数は約300脚に及ぶそうで、それらが一堂に並ぶと圧巻である。

先月なんば高島屋で「小さな北欧美術館」主宰で「濱田由一1/5ミニチュア名作椅子の世界」企画展が催されその世界に触れてきた。その時の展示は100余点ほど。一見すると単に模型が並んでるように見えますが、一つ一つに接近すれするほど圧倒される迫力があります。

 

写真はOKでしたが手に持つことはできずそこは残念でしたが、廻りの視線を気にしつつも可能なかぎり顔を寄せて見てきました。
帰ってからうちにあるCH24を測ってみた。
取手から背当ての部材は30φなので1/5では6mm。中央支柱のY型の厚みは9.5mmなので1.9mm。模型と考えればこれらの部材は普通だが単に接着剤で組み立てるわけでなく、実物と同じように加工し仕口で組み上げていく気の遠くなるような仕事が想像される。圧巻は座となるペーパーコード。正確な太さはわからないがこれも代用品ではなく1/5サイズの「本物」を使用して編み上げてるはずだ。

工業化製品の名作たちが全て一人の職人の手仕事でできている。
1/5の世界は実用品と見ると展示やコレクション以外に思いつかないが、ここにはものづくりの心や技が限界まで詰まっている気がします。図面や道具は一部展示されてました(それはまた凄いものです)が、できることなら加工から組立にいたる製作のプロセスを余すところなく見てみたい。それがもし整理されればものづくりの百科事典になるような気がしました。

23.11.01