23.06:梅雨、ですね。

三月堂

法華堂が正式な名称かも知れません。
東大寺では隣の二月堂がお水取で有名なお堂で、またミニ清水的な姿が魅力で幾度か訪問してきましたがこの三月堂は今まで前を通るものの知りませんでした。
太田博太郎先生の書籍で二つの棟が連結されたと知り無性に興味が湧き先日見に行きました。

 

正堂と礼堂。桁行きが同じ2棟を双堂(ならびどう)というらしいです。
正堂はいうまでもなくご本尊がおられる場所、礼堂が人々が礼拝や儀式に使う場所で、奈良時代に双堂だったのが鎌倉時代に礼堂が新たに普請されその時連結されたように書籍では読めました。

二つとも元は寄棟造り、その中心の棟を繋げるように屋根を持ち上げ周囲と馴染ませ、側面から見ると入母屋の変形に見えます。
連結はまさに変形なのですが、二つが繋がり横長になったプロポーションはお堂というより住居がイメージされ、また馴染ませたと言っても微妙なズレが目に見えて不思議な魅力になってます。

内部がまた凄かったのです。
鎌倉建築は実に剛壮です。礼堂は小さな建物のイメージでしたがさにあらず、太く立派で堂々とした空間でした。木組みがすごくて正堂より迫力があります。
つなぎ目が大いに興味があったのですがそこはフラットな格子天井になってて内部からは連結の架構が見えなかったのが残念でしたが、奈良時代の穏やかな上品さと鎌倉の力強い剛壮さを対比的に感じることができると思います。東大寺訪問の際はオススメです。

*参考図書:「奈良の寺々」太田博太郎先生
23.06.02