23.01:謹賀新年

迎春2023

あけましておめでとうございます。
世情は何やらスッキリせず、また私的にも昨年は大きな変化がありまして、心身に凝り固まったものを振るい落とし、白く柔らかい気持ちで新年を迎えたいと思っております。

昨今の建築ブームの1つとして昨年京都でモダン建築祭とArchitecture Pass Kyotoがありました。秋晴れの一日久々に京都を訪ね、1つでも多く建物を見ようと一生懸命歩きました。

興味はArchitecture Passの方です。京都で活躍されてる若手(と申し上げて良いのかどうか実力者ばかりです)建築家の方々がエントリーされており、アルファヴィルさん、魚谷さん、家入村越さん、そして木村松本さんを巡りました。

絆屋ギャラリーの折れ壁は新鮮でした。外壁は木板のメンテがやはり問題と思いましたが、住居中央の階段室はいろんな方向から光が差込み豪壮な空間の印象でした。

SHIKIAMI CONCONは古い町家を覆う鉄骨フレームの入子構造にコンテナが配列された不思議な印象でした。表には木格子の顔があるのですが、奥に展開する仮説的なスペースが窮屈で少し過度に感じたのが残念でした。

リトグラフ工房は大変愛らしい建築でした。ああいう線路、踏切は特に実生活の記憶はなくても大変懐かしく感じ、そこから連続していくアプローチの前庭、そして軽い仕切りを隔てた内部まで全く無理なくスムースに繋がり、そしてまた半透明の波板で線路の空間へ意識が戻っていきます。一見建築家はどこに手を入れたのか分からないくらい自然で発見的な場所でした。

ba hutteは意識的に最後に廻ろうと、つまりあそこのバーで一杯やりたかった訳です。建物はちょうど夕陽に輝き、細いプロポーション、巧みな開口部、整然とした構造体で美しかった。
あの幅でやろうとしたのはクライアントなのか建築家なのか。大英断だったと思いますが大成功に思いました。ビールも格別なお味でした。

ここで予定終了。修学院の山並みの景観をしばし楽しみ(昔、昔ここに住んでたことがあります)京都を後にしました。

*大晦日の新聞一面に磯崎さんの訃報がありショックでした。特に関係はありませんが振り返って見ようと思います。
本年もよろしくお願いします。
23.01.02