22.09:少し秋の気配が。

ガラスのホール

このMAETodayでも幾度か紹介している奈良100年会館、そこには大中小ホールがあり、そのうち中ホールはガラス張りでできています。
えっ、ガラス張り?
見たい!

磯崎さん設計のこの建物は1992年竣工、もう30年前です。建物には幾度と足を運ぶものの何故かこの中ホールには縁がなく、先日やっと音楽公演のチケットを手に入れ訪れてきました。待望の中ホールです。

アクセスは分かってる、メインエントランスを入り振向く方向へ階段で上がる。その入口を初めて入るが何やら暗くて狭い。あれっ?
チケットチェックを受けつつ戸惑いながら目でアプローチを探すと、仄かな光のもと右手に上がる階段が見えてくる。その階段を上がって行くともう分かる、ガラス張りのホールが目に入り中央横通路部から入る。

 

美しい!
舞台正面の白い背景と側面の透明なスクリーンがガラスのダブルスキンとして客席を囲んでいる。照明計画も素晴らしい。自然光とミックスされ、開演前の期待感を含ませながら自然な時間を作っている。

ホールを上がり背後に出るとそこはホワイエなのか自然光が降り注ぐ特別な空間で、黒い卵型の形態の中に入り込んだ感覚。そこから見るガラスの箱はまた清く凛とした姿でとても美しく、黒くて重い形との対比が効果的で、同時にこの形に無理して納めたんだと、同業者ならではの楽しみも味わいました。

この日の出し物はコントラバスとチェロの弦楽器だったが、音響も良く、ここまで見事にガラスという材料で創り上げた建築家に脱帽でした。

22.09.01