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20.11:冬支度の前にコロナ支度でしょうか

古建築の屋根

日本最古のお寺と言われる法隆寺、その東院礼門の修復工事見学会があり先日見てきました。
門と言えどそれだけにあらず、夢殿、つまり中央の位の高い堂への礼拝場所でもあったらしくその分サイズが大きい。
見学の目玉は屋根です。足場が組まれ真横で古建築の屋根が見える貴重なタイミング。ちょうど土居葺と言う下地が終わりこれから瓦葺きへ移行する時でその屋根下地に感激しました。

 

土居葺とは檜皮葺きのように木の薄板を重ねていくやり方でここでは杉で概ね5層くらいだそうですが、その緻密な表情が実に魅力的です。
普通お寺の屋根といえば瓦葺きでその黒くどっしりとした表情とともにその形が特徴です。
だいたい屋根面の反りに加えてコーナーがヒゲの端を丸めるように反り上がるのですが、それを重い瓦という材料でやるのが今では大変違和感があるのですが、当時の人々もこの下地をみているはず。
歴史がわかればもっと面白いと思いますが、純粋にプレインな形態の魅力に心惹かれ瓦以外の仕上げ材を追求しようとしたデザイナーがその時代でもいるはずだと思ってしまいます。そう思うだけで大変楽しい時間を過ごせた修復見学会でした。

20.11.01