18.06:いやな梅雨に入りましたね

外から内から

建築を考える時よく外から内からという言い方をする。状況によって幾つかの意味があるが、敷地を見て周辺状況からボリュームを考えたり、が外。木漏れ日の下のような空間から発想したり、が内。全体から部分からと言う言い方とも符号する。
建築するということは秩序立てること、とも言えるので、秩序だった全体構成のあり方をまず見ようとするか、個別の空間から秩序立てていくか、人によっても違うし同じ人でも時と場合によるであろう。
実務の場合は法的チェックが最初にあるので外からのアプローチが多い。しかし学生さんの設計などはどうまとまるか分からないけど、自由で伸び伸びとした内からの発想は魅力的で羨ましい。
住環境を考える時でも必ずと言っていいほど、自然や周囲の環境との調和の視点と快適で豊かな内部空間の視点とが入り混じる。より高くよりふくよかになろうとする空間を上から押さえつけることはよくある。
結局はその敷地やプログラムの中で最適なバランスが求められるのであろうが、最近日本の民家のような空間をよく思い浮かべてしまう。
中央部に大きな梁で組まれた豪壮な空間を内に抱えつつ軒先きは低く抑えて周囲と連なっていく。外と内の発想を対比的ではなく一つの形態として同時に解決してるように見え、屋根というものの意味をもう一度考えてみようと思う。

18.06.12