17.10:カレンダーが残り少なくなりびっくり。

住まいのトータリテイ

自分の家は自分の好きなもので統一する。自分の好きなもので部屋をいっぱいに飾る。
土地探し(あるいは国探し?)から始まる住まいのトータリテイはこういう家具や小物まで繋がりその気持ちは大変よく分かり共通のように思えます。
その人の、その場所の、かけがえのない住まいを造る、をモットーにしている弊社ですがいつもどこまで関与できるのだろうかと思います。
通常建築の次に一番近いのは家具でしょうか。
部屋の設えを考える時に家具は欠かせません。幸いに家具デザインあるいは家具選定まで依頼されればコントロールできるのですが通常そこまでいきません。コストが許せば造りつけできますが建築イメージの中ではついつい都合よく考えてしまいがちです。質の高いデザイン家具を頭に浮かべたり、建築主が空間に合う家具を選んでくれると期待したり。
幾度かどんな家具にでも合う背景となるようなインテリアデザインを思った時があります。基本大体プレーンな空間が多いのでそれを徹底すればいろんな趣味の家具や小物でも問題ないと。しかしそれは無理と思います。トータリテイには家具の質も求められ、何でも良いわけではなく違えばやはりミスマッチです。
住まいのデザインは、建築主が意識しておられなくても、本来かなりの深度が要求されてるように思います。素晴らしい住宅の事例にそれを感じます。
では食器類はどうでしょうか、あるいはサニタリー用品など。
必要となれば100円ショップでも買える品々ですが、毎日手に持ち使用するとなるとドアノブなど細部にこだわる設計者には大変重要なアイテムです。ダメだったら買い換え得る軽さはあると思いますが、トータリテイを気にする設計者とすれば放っておけません。
しかし昨今のDIYなどの動きは住まい手が自由に住みながら造っていく楽しさが伝わってきます。最初から食器まで全てトータルにコントロールされた家では窮屈すぎる気もします。
やはり住まいは住み手が造るもの。建築主次第ですが我々は基本空間を造るところでお手伝いする、こういうことになるんでしょうか。

17.10.04