17.09:あっという間に秋が始まりました

左官

これは年代のせいというより関与してきた物件によるのだと思いますが、私は先輩方から「モルタルなど湿式工法は原則下地はRCでないといけない。S造や木造では左官はダメ」と習ってきました。実際下地が悪い左官仕上げのビリビリに割れる酷い状態を見るとこの教えは大切だと、自分の設計するS造、木造ではあくまで限定した範囲でしか湿式は使わないと封印してきました。
左官組合さんには怒られそうですが、それはそれで正しいと思ってきました。

私にとって左官の魅力は継ぎ目のないシームレスな仕上がりです。当然年月が経っても割れてもらったら困るのです。
その代わりにしてきたのが成型材やパネル材です。いやでいやでしょうがないサイデイングも冒頭を理由にプレーンなものを探して仕様書に書いたりしました。
しかし最初からジョイント目地を持つ材料ゆえいろんな部分でシーリング材に頼った納まりが発生します。それこそ避けるべき、これも正しいと言わざるをえません。

ここ数年伝統的な木造住宅を考える機会が多くなり関連して各分野での職人さんの仕事に触れてきました。
我が国の伝統として、見えない、後ろに隠れてる部分で手を抜かない、そういう精神の元、あくまで総合的な意味合いでいま左官の仕事が気になって仕方がありません。そしてさらに言うとその材料は土です。下地であろうと仕上げであろうと土です。

最新の日経アーキは藤森建築の特集でした(多分)。以前からファンなので当然大きな影響を受けてます。しかし今月このように書いたのはそれ以上に地域の工務店さんの仕事に影響されてます。
検証はできてないのですが意外と身近に左官仕上げが実現できる環境がいまはある、それなら一度やってみたい。
そう思う秋の始まりです。

17.09.05