17.03:今年もこの季節です

卒計展2017

毎年の楽しみである大学の卒業制作展。
今年は日程が難しく摂南大学住環境デザイン通称R科だけお邪魔してきました。
場所は大阪のど真ん中、本町ガーデンシテイ。学生さんのそれぞれの力作に加えてダンボールを利用した展示スタイルも見どころの一つ。

午後2:30頃到着。場所柄なのか一般の人と思えるお客さんが多く目立った。
例年通り論文と制作が半々くらい。今年も学生さんの説明があり、幅の広いこの学科の特色が生かされた興味深い作品が一杯。
私にとっての今年のNo.1は「知識の伝承」という作品。
地域の特性を丁寧に読み取り、そこで蓄積された知識を繋ぐ提案。そのためには人と人のコミュニケーションが必要で1対1から始まる人の繋がりに相応しい小さな設えがとても魅力的で、それらがその場所に溶け込むミニパークのようで景観的にも説得力がありました。
プレゼンも密度が濃いにもかかわらずコンパクトに美しくまとめてあり感心しました。
最後まで悩んだのが屋外で寝ることを考察し自転車用のプロダクトを試作した作品。
動物の巣や現代のブルーシート住まいの考察から始まるテーマには一番惹きつけられたのですが何故か建築を通り越してプロダクトへ行ってしまわれた。
その間に何か建築に関しての考察というか言及があればこちらを選んだかもしれません。
しかしプロダクトとして金物類まで考案し実物の制作までできていた力作でした。
それともう一つ「家物語」。家族とともに変遷する建築のあり方が詩情豊かにプレゼンされていたはず。というのもいま一つ「物語」が私には理解できなかったのです。ご本人とゆっくり話をしたかった提案でした。
その他商店街の再構築、プロジェクションマップ、木の香り、歴史ある港から始まる地域文化の再発見、そしてハードなフィリピンでの現地体験から生まれた(であろう)逞しい提案群。
有意義なひと時でした。みなさんお疲れ様でした。

17.03.06

17.03.11追記