16.10:真夏のような秋でしたね

ピロテイ

先日久しぶりに香川県庁舎を訪れた。中心街の東側からアプローチし、あの木造建築の軒先や垂木を連想させるファサードはどんな風になってるか、が頭をよぎっていたが、道路に出て目にした第1印象は、何と気持ちの良いピロテイなのか、でした。
この道路側のつなぎの空間は記憶に残っていなかったのですが、ピロテイで持ち上げられた細長いボリュームで庁舎敷地が切り取られ、中央に象徴的なファサードデザインの庁舎そしてその南北に広場を持つブロックプランで、ピロテイ、広場、そして庁舎1階のホール、これらがパブリックな空間として融合されており、近代建築が目指したものを体験したような気がしたのである。
そしてそれは実に心地良いものでした。

 

車がタテヨコ縦横無尽に走り回る現代都市。どの都市もそのグリッド状の道路体系で街が分断されてしまい、随所にある多様な魅力が連続していかない、見えてこない。そんな頭になっていたところに久々に見たおおらかなピロテイ。こっちと向こうが繋がっていき自由に行き来できる、その魅力を再発見した思いでした。
コルビュジエはやはり偉大だった、と言うより新しい「公共」のかたちが模索される現代、オープンスペースのあり方繋がり方の重要性を改めて感じた体験でした。

16.10.07