16.05:春まっさかりです

春陽荘

今年のGWは大型連休。国の登録文化財である春陽荘(旧米田家:淡路洲本)が新しく地域の文化体験施設として整備されることとなり、5月3,4,5日のプレオープンに行ってきました。
2年ほど前に一度訪れたことがあるのですが、補修改修は最低限で建物の魅力はそのまま残されてます。
解説によると家相方位学に長けた建築家山本豊圓氏の設計だそうで、前に川が流れ、山を背景に母屋、寝殿、客殿、湯殿、土蔵、そして洋館の6棟が建てられている。敷地は広いのだが私的にはちょっと窮屈に見える。

 
客殿

しかし各棟の建家はそれぞれが工夫され魅力に溢れている。
うち客殿の意匠が一番有名であろうか。縁が張り出され宙に浮くようなガラス張りの外観に内部は名人が思う存分腕を振るった木の意匠に溢れ、知識のある人には面白くてしょうがないのではないだろうか。
しかし私の一番のお気に入りは中央に位置する寝殿とそこに至る渡り廊下である。どちらも光の採り入れ方が工夫され面白い。

 
寝殿(1409撮影)

開放的な明るい廊下と絞られた光の薄暗い寝殿の対比。よく茶室では小宇宙と形容されるがここはまさしく一つの世界を感じます。
しかも建具がまた素晴らしい。建具はどれも素晴らしい。近代は何故アルミサッシを開発してしまったのか、と嘆きたくなります。
新しい施設としてどのように運営されるのか分かりませんが、一度ここで寝てみて、すきま風も含めてかつての暮らしを体験したいと思いました。

16.05.04