14.03:この時期の恒例になりました

卒計展2014

2月も後半に入れば例年のように各大学では卒業設計展が開かれます。
当然のことながら卒計展は各大学のカラーが出るので結構面白く、また自分の固い頭の刺激にもなるので、毎年どこかへお邪魔しようと恒例になってきました。
今年は摂南大学の住環境デザイン学科を中之島バンクスへ。
この学科は4年前に新しい学科として創設されたで今期初めての卒業生を送り出すことになります。
建築とはまた違った住環境というテーマで果たしてみなさんがどんな成果を挙げられたのか、けっこう楽しみに見にいきました。
学科の性格上でしょうか展示は卒業設計と卒業論文とに分かれており設計は1/4くらいの割合でした。
各論文は研究室ごとに色分けされ簡潔にかつ細密にA1一枚あるいはA2にまとめられており、残念ながらタイトルと結論、まとめ程度しか見れませんでしたが、いろいろ興味深い研究対象でその幅の広さが大変印象的でした。
限られた時間の中ではやはり模型がある卒業設計の方に眼がいきます。
それぞれが渾身の作と言っていい力作揃いでしたが、時間が足らなかったのか、最後の仕上がりが惜しいのがありました。
今回は初めてということで賞は設けられなかったと説明を受けましたが、あったなら多分この人ではないかと思われるトップ2はすぐに分かりました。
しかし私にはもう一つ別に気になった作品が。

都市の中に集まって住む近所付き合いをテーマにした提案で、パブリックからプライベート、廊下型からクラスター型などの説明はすでに古くから言われてる内容で、そういう意味では物足りないのですが、そこに風のシミュレーションを行いそれを計画に反映している案がありました。
線状の人工台地にクラスター型の住戸が寄り集まってる姿は都市のスケールと住戸の身の回りのスケールと双方に答えており造形的にも魅力的で今後の可能性を多いに感じたのです。
ここで改めて論文たちが気になりました。いろんなテーマがありながら結論としては物足りなかったのですが、こういう実験やスタデイを卒業時にまとめた学生は今後図面を書かないにしても(図面を描くような仕事につかなくても)住環境デザインに関わる大きな武器を持ったような気がして、この学科の重要性が分かったような気がしたのです。
可能性は多いにある、と感じました。続く2期生がまた楽しみです。

14.03.03