14.02:貴重な体験でした

小さな建前

先日小さな物件の建前が終わりました。
「小さな」と書きましたがそれはあくまで建物規模の事で、私にに取っては実に大きな、今までにない得難い体験でした。
外壁とフレームの間に隙を造りたい。そして壁に邪魔されずに木軸で包まれた籠のようなインテリアが欲しい。
そんな思いから始めた木軸の検討を「木造トラス研究所」の「合掌」さんと設計の段階から進めてきました。というより、木の事をいろいろ教えてもらいながら進めて来た、と言う方が正確でしょうか。
私は、以前は木造の中に垂直+水平の美学を見ようとしていたので斜材は屋根の勾配の垂木以外は邪魔なものだと扱ってました。しかし木材をタテヨコにかけ合わせていくだけでは単に「渡す」「掛ける」だけであまり「組まれた」感じがしない。現実的にも耐震要素の壁で埋められる事が多く、木軸の美しさが消えてしまう。そこからどう脱出するか。


今回のテーマは斜材です。斜め材を入れる事で力学的な合理性と「組む」感覚を同時に求める事ができるのではないか。そしてそれが木軸(面ではなく線)で「包まれた」インテリアとなる。
規模は小さくて平屋なんですが建前に6日間かかりました。
その毎日を見ながらこの「組む」という感覚が求めるインテリアに繋がる気がして、毎日が楽しく終わるのを惜しんでおりました。
建前ではいつも思うのですが、このまま透明硝子で覆ってしまいたい気持ちです。
最終的には壁との隙は実現出来ず、半分隠れる真壁となりまだまだ力不足も痛感しましたが、見せたい軸はそのまま残ります。
今更ながらですが、木軸再入門といった建前でした。

合掌さんのHPはこちら
http://www.eonet.ne.jp/~truss/index.html

14.02.03