13.12:さらに先月の続きです

懐かしさ2

今月も同じ話題で恐縮です。いまどうも頭がとらわれてしまってます。

弊社の廻りの現状です。高層マンション、中低層アパート、建て売り住居群。その中にぽつりぽつり工場が残ってます。
ほとんどの工場が住居に置き換わりこの周辺は交通の利便性が良い割には価格が手頃なのか、若い世代の人たちが移り住み、少子化と言えどこの地域の子供人口は明らかに増えたと思います。
写真左手に小学校があるのですがそこに子供たちが通い育っています。さて彼ら彼女らは将来ここを懐かしく思うのでしょうか?

以前都市居住というのはネットワークの中に住む、つまりある一定地域の中で生活が限定されるのではなく、いろんな地域に移動しながら自分の暮らしを整えるもの、だと書いた記憶があります。
その延長線上では彼ら彼女らは、というより、ご家族たちはここには長く住まず、割と早い時期に別の地域へ移り住む可能性は高いかもしれません。
ノマドという言葉も懐かしいですが、そうなると懐かしいと思ってる暇がありません。
いやそれより気になるのは仮にこの地に50年住んだとして、ここが果たして懐かしく感じられるのでしょうか?
とてもそうは思えないのが悔しいのです。懐かしさ、というのは歳月の積重ねから生まれるとは思うのですが、その母体となる街や建物にその歳月を受け止める力がなければそういう感情も生まれない。そういうものを支えるのがその地域のその国の建築文化と呼べるのでしょう。やはり軌道修正が必要だと思います。

*今年もはや師走、これが最後の月となりました。いつもなかなかうまく書けずもどかしい思いなのですが、もう少し自分のために続けてみようと思ってます。拙い内容にも関わらずお読みいただいたみなさまありがとうございました。お身体にご留意の上、納得のいく年の暮れをお過ごしください。
13.12.04