13.07:ますます大切に思えてきました

ヘリテージマネージャー

先日富士山が世界遺産に登録されました。「日本一の山」として子供の頃から親しんできた山なので嬉しかったのですが、自然遺産ではなく文化遺産として登録されたと聞いて驚きました。この年までそういう信仰の対象となっていた背景を知らず、恥ずかしさ混じりでニュースを聞いてました。

先月の初め神戸で兵庫県ヘリテージマネージャー大会があり参加してきました。この兵庫のヘリテージマネージャー制度は1995年の阪神大震災の後の様々な活動から生まれ、根付いた全国の先駆けとなった意義ある活動で、前から気になり参加することにしました。
当日はまずは中尾先生の案内で旧居留地の建物見学です。
この辺りもよく知らずに今まで来たのですが、当時の面影がもうほとんど残っていない現状を見るにつけ何とも寂しい思いに駆られました。

その後はKIITOでいろんなセミナーです。その中で松隈先生のジェームズ邸の保存活用の話を聞いてきました。その中ではいろんなキーマンが登場するのですが、よほどそういう恵まれた出会いや繋がりがないと実現しないのだと難しさを感じました。
常に立ちはだかる経済の論理を越える価値をどう打ち立てられるのか。そしてそれを自己の経済力で実行できる立場の人に届くかどうか。
塩屋のジョネス邸の記事が新聞に出てました。議会で保存活用が望ましいと採決されてらしいのですが、現時点の所有者の意思次第で拘束力はないのだそうです。(ちょっと内容がうろ覚えです、すみません)
何もできなければ解体されてマンションが建つのだそうで、いま(いままでも)残そうとする地域の人が必死にお金の工面をされてます。経済の論理に立ち向かう経済力。
企業であれ個人であれ、何かもう少し何とかならないのか、と悔しい思いです。今までいろんなところで言われてきた事ですがやっと分かるようになってきました。

13.07.03

*13.07.24追記
最近知ったのですが今年から大阪府もヘリテージマネージャー育成実行委員会(建築士会と登録文化財所有者の会が主体)が講習を始められるようです。ヘリテージの動きが全国に広がるのを感じます。