■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。 

09.12:有意義な裏体験?

都市の裏

最近大阪の街を歩いてて意外な部分を目にしました。仕上げが剥がされコンクリートがむき出しになったいわゆる裏の部分と言えるのですが、先月Osaka-Veinを書いたせいかある意味興味深く見えました。

一つは地下鉄の駅の天井です。
普段はアルミスパンドレルか吸音板で綺麗に覆われてる部分ですが、この駅ではその裏がとんでもない事になっていました。

写真で分かりますか?最初は電気のケーブル類を後から施工したのかと思いましたがさにあらず。雨漏りのようです。それもかなりひどい。
一般の方にはどのように見えているのか、ちょっとお粗末な状態でした。

もう一つは阪急のガレリア大通りと言うのでしょうか、昔のコンコースです。
ちょうど今リニューアル工事真っ最中で躯体が見えており思わずシャッターを押してきました。

天井が高くゴチック風の装飾で飾られた大通りでしたが実はそれ以上にボリュームがある事が分かり、また右側にはグランドビルとの隙間から空が見え、どちらも新鮮に映りました。今度はどうなるのか、この高さをもっと生かして仕上げて欲しい、出来れば光も入って欲しい、などと勝手に思い今からちょっと気になっています。

地下階の漏水(そう言えば地下外周の2重壁などはビックリされるのではないでしょうか)やエキスパンションの隙間など都市の中では専門的には当たり前の事でも隠されて見えない事により一般の方には思いもかけない状況があるのではないか。
表と裏があるから都市は面白い。確かにそう思いますし、多分一般の方々もその事に敏感に反応していると思うのですが、都市や建築も隠す事ばかり考えないでもう少し見えるようになればもっと面白いのでは?と思った次第。
この辺り一般の方々と我々の感覚はどこがどれくらい違うんでしょうか?
それが大変気になった体験でした。

09.12.01