■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。 

08.07:どうぞお知恵をお貸し下さい

ああ、屋外機

いくらエコと言っても今は建物の冷暖房設備は必須であり、どんな建物でもその方式、機種の選定に悩まされる。いやほとんどの場合悩まされのはその屋外機の処理にあると言って良いかも知れない。
空冷の場合屋外機は風通しの良い外気に面する場所が要求され、効率の点で周囲に十分な空きスペースも必要となる。そうなると3方囲まれた都市の中の建物では道路に面した、いわゆるファサード(正面)がその適所となり、マンションなどバルコニー面に見事なまでに並ぶ屋外機のファサードが目に入る事が多い。
もちろんそれが美しい訳は無く多くの設計者は横や後ろの空隙を何とか利用しようとする。しかしあまりの狭さにメンテナンスに支障が出たり、熱風と音による近隣問題に繋がったり、とかく始末に悪いのだ。

  
左:心斎橋の建物 右:イタリアの建物

左の建物は商業系のテナントビルだが、建物背面にそれらを集める事でなるほどと思われる解決の仕方をしている。右の歴史建造物の場合はどうしたのか、やむにやまれずであろう、中庭側ではなくメインストリートに出てしまっている。
実際は屋外機のことだけでなく屋内機も問題なのだ。
要は屋内機と屋外機を上手く繋がないといけない訳だが、左のビルなど道路側の小区画のテナントからここまで配管するとなると、あらかじめ配慮しておかないと実際はなかなか上手くいかないだろうと推測される。
建築と一体化しようとしても多くの場合は別のデザインされたルーバーの後ろに据える程度の事しかできてないようだ。お金をかけて2重にしても効率の面からすけすけの状態ではあまり美しくならない。

なぜ美しい屋外機がないのか?
ついついこう思ってしまうけどこれは甘えなのでしょうか?
梅雨の鬱陶しさが続きますが徐々に日差しは夏。
何だか書いてるだけで暑くなってきました。

08.07.03