■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。 

07.12:またまた師走です

大大阪

いま手元に「大大阪モダン建築」なる書籍があります。
大正末期、東洋一の商工地として賑わい、産業の集積とともに人口が急増し、なんと当時は東京を凌ぐ日本一の大都市であったという。その時の呼び名が「大大阪」と言うらしい。

いまから考えればほとんどピンとこないが、日本一の都市として多くのモダン建築が建設され、それらが役所ではなく民間企業の建物として建設された、そこがいかにも大阪らしいと書かれており、そう思う。
その中で今残存する建物、つまり今で言う近代建築のガイドブックとして上梓されたらしく、多くの写真入りで見やすくまた手軽に読め、休日の街歩きにはうってつけの本に仕上がっている。

ページをめくれば初めて知る建物もあり、今まで多くの建物が惜しまれながら解体されて来たが、改めて概観すればまだそこそこ残ってるなあ、と言うのが第一印象である。先日武庫川女子大の甲子園校舎(旧甲子園ホテル)を久々に訪れ、その素晴らしさに感動したばかりなので、これらを何とかして残したいと思うようになった。
役所主導の建設でなかった分、街の中に点として存在しているだけで街並として体験する事ができず、それが大阪の建築の訴求力の弱さだろう。芝川ビルや生駒ビルのように自力で努力されてる建物もあるが、今のままではある点が消えても誰も気づかないだろう。
点を繋いでいくようなネットワークが何かできないものか、何か良いアイデアがないものだろうか、そんな事を考えながら師走に突入です。
みなさま、今年も1年お世話になりました。
ご自愛の上充実した締めを過ごされますように。

大阪の近代建築については「大オオサカまち基盤(通称大バン)」の方々が継続して努力されてます。HPは次の通り。
http://www.o-ban.net/

07.12.03