■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。 

07.06:オフコースはご存知ですか?

小田和正さん

先日の日経アーキであの歌手の小田和正氏があの建築史家で建築家の藤森照信氏と同級生である事を知り思わず「へー、面白いなあ」と感じてしまいました。
この感覚に何か意味があるのか、自分の事ながらそれを追求するのも面白そうなのですが、まずは同じ教育を受けてこのように別の世界でそれぞれ素晴らしい仕事をされてるのが何か凄い、と感じてしまいました。
もの凄く個性的でありながらも多くの方々や世代から支援されておられ、創造に関わる仕事の素晴らしさや人間としての魅力を感じてしまったのかもしれません。
対談ではやはり異分野の小田氏の発言が気になり、その中でトイレと階段の下りが印象的でした。それは曲を造る際、メインつまりサビの部分があり、それをいかにメインにできるかはそこに至るつなぎの部分次第なんだと、つまりそれは建築のトイレと階段のようなもので、本当はそこが大変重要なんだと、そう言われるのです。
トイレと階段、機能的には単純ですべての建物に必要なそれらが、別扱いになるのではなく、全体の空間構成や造形デザインにどう参加するか。
曲も建物も同じく、それらの参加の仕方で全体の良し悪しが決まってしまう、何だか分かるような気がしました。
控えめでありながら別ではない、そこの微妙なニュアンスが大切なんだと、そう聞こえました。
この話は小説で言われる「起承転結」にも通ずると思うのですが、いろんな創造的な分野に共通してる気がして、今後設計の時はトイレと階段をもう一度見直そうと思っています。
しばらくは音楽も意識的して聞いてしまいそうです。

07.06.07