■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board(メンテでしばらく休みます)

06.12:またもや遅くなり誠にスミマセン。

イトーさん

先日12chの日曜美術館に伊東豊雄さんが出ておられた。冒頭は見逃してしまったが中野本町の家、シルバーハットから最新作のぐりんぐりんまで、一通り師の軌跡を辿り最近のお考えを聞くような内容だった。
個人的には中野本町の家のファンである。コンクリートの重い外観からは想像もつかない輪郭の無いボヤーッと浮遊するような内部の感覚には衝撃を受けた。
それゆえ続くシルバーハットは当時アングルなど鉄骨部材が妙に気になりピンと来なかったけど、それ以降の世界を圧巻するイトーワールドの始まりだったのか思うと一種感慨深深く見る事が出来た。
その集大成(と言っていいのか)の仙台メデイアテーク。あの模型写真も忘れる事が出来ない。なんと美しいのかと感激した覚えがある。
それがそのまま建っていた、と言えば語弊があるが最後の半ば俯瞰的な映像を眼にしたとき、ああ、出来ていたんだ、とびっくりした。あのツリー状のガラスチューブが白い半透明のスクリーンなら出来ていたんじゃないかと。どうしてそうしなかったのか?
番組では既にご本人から、職人の圧倒されるような手仕事を是非とも見せたかった、と言う説明があった訳だが、今更手の痕跡とか職人の手仕事とかではなくもっと別の答えが欲しく、今まで気になってなかった事が大変気になり始めました、時代の大建築家はあの溶接の職人芸を見て何を思われたんだろうか?

いつもいつも想像もできない発想で斬新な刺激を与えてくれる素晴らしい建築家イトーさん。こりゃ東京の展示会を少しでも早く見に行かんとあかんなあ、とそんな気分で師走突入です。
みなさまは今年、どのように締めくくられますか?
良いお年をお迎え下さい。

06.12.08
06.12.11一部修正