■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

05.11:みなさんはご存知でしたか?

家守

「やもり」と読みます。字から類推できるように、江戸時代に地主に代わって長屋を管理し店子の面倒を見た職業で、いま街づくりの担い手として注目を集めているようです。

「現代版家守は街づくりコンサルテイングやベンチャー支援会社などで、地域の老朽化したビルを再生し地元のニーズに合ったテナントを集めるのみならず周辺のビルにも有望なテナントを集積し地域全体の価値を高め」る仕事で従来の一種暴力的?な不動産ビジネスとは異なり、その場所その地域の小さな歴史の繋がりや人的ネットワークを大切にする、人情味あふれる長屋の管理人さんのようなホスピタリテイがポイントのようです。(「」内日経流通新聞)

スクラップ&ビルドが反省されて久しく、新しく建て直さなくてもリフォームやコンバージョンで一つのビルが見違えて生まれ代わり、そこが拠点となって徐々に魅力あふれる界隈や街になっていく。そしてそれが消費的な商業施設のみならず生産的な地域産業の活性化にまで繋がればまさしく地域づくり街づくりとなり素晴らしい。

そしてその街づくりが環境づくりへと繋がればもっと素晴らしい。
建築設計、施工がどちらかと言えば外からの環境づくりに対して内からの環境づくりとでも言えるでしょうか。内から外へ。
その外が残念ながらなかなか残そうと思えるものが少ない中、オーナーにとっては本末転倒かもしれないけれど壊すものは壊すという判断も時には必要だと思うのです。そしてそのような英断を家守にももちろんオーナーにも持って欲しい。単にオーナーの収益を求めるだけの職種ではなく、そういう環境づくりの仲間として増えて行って欲しいと思います。

05.11.01