■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

05.09:あっという間に秋の気配ですね

表参道ウオーク2

また行ってきました。
今回は巨匠二人。ITOさんとANDOさんです。
まずはITOさんのTOD'S、何とも不思議な感覚でした。見る角度によって、また陽の当たりによって刻々とその表情を変え、コンクリートの重い固まりに見えたり軽やかに浮遊したり。言ってみれば樹状パターンによって抽象化された箱と言えるのでしょうが、第一感似つかわしくないと思える、あるいは感じるコンクリートで、しかもそれを構造体としてやった事がその効果を生んでいるのだと思いやはり凄いなと思いました。
内部も奇麗!ショップからは樹状パターンと言うより、チェコキュビズムを洗練させた様なデザインと陳列されてる商品、そしてガラスつまり光の形状が見事に調和し、明るくモダンで本当に奇麗でした。
階段部分の区画の処理も、直通階段にしなくていいの?なんて思いましたが、多分法規上の制約でしょうが区画が却ってある方がいいと思わせるまでのデザインでさすがでした。

  
TOD'S         hhstyle-Black

もう一つはANDOさんのhh-Black。
表参道からは妹島さんの奥にいかにも頑固そうに背中を向けて、といった感じでそれが妙にANDOさんと重なり納得しました。またコーナーが欠けたプランがずっと疑問だったのですがエントランスに回り込んでなるほどこの顔を造りたかったのかとこれも納得。
内部は開店前に無理を言ったせいでゆっくりはできませんでしたが、小さめのトップライトから必要最小限の光で、閉ざされた黒い固まりと違和感の無い連続したインテリアでした。ただ中央のコンクリートの構造体とスチールの外殻折板との取合いに首を傾げましたが、いずれにしてもこちらも展示物と建築とが合わさって一つの世界を造る素晴らしい建築でした。

今回は両巨匠の若いエネルギーを沸々と感じた作品たち。
いやあ、建築って本当に面白いなあ、と思わせる表参道ウオークでした。

05.08.31