■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

05.05:いつもエネルギッシュなアンドーさん

アンドー語録

アンドーさんと言えば言うまでもなく今や誰もが知っている一番有名な世界的建築家でしょう。常に話題になりタフでエネルギッシュで建築のみならず最近はもっと広義な環境に対しても意欲的です。
先日も「平成桜の通り抜け会」の決起集会(?)で司会をされてましたが、その大阪弁で人を笑わせながらの司会進行は一緒におられた落語の桂三枝さんに優るとも劣らないと思わせるほど今や大阪のアイドルと言う印象でした。

そんなアンドーさんの建築は、素晴らしいものは本当に素晴らしく人を感動させるのですが、それと同じくらい常日頃感心するのは文章がそして話が非常に巧いということです。
こんなことを言うのは世界的な建築家に対して大変僭越なんですがアンドーさんの文章に接するに付けいつも感心させられます。
状況や心境など普段深いところにありなかなか言いにくいところを特別難しい言葉も使わないでさらっとしかし的確に述べられ、それが魅力や説得力につながるのです。そんな中から一つ二つ。

「現在を中心に未来と過去がつながったところに人間は住むことの豊かさを感じるのです」

これは震災後の街づくりに対して意見を述べる下りです。確かに前後の文脈があればもっと確実に伝わるのでしょうが住むことだけではなくいろんなところでも真理ではないでしょうか。

「建築とは環境に刺激を与え場所に新たな価値を作り出すもの」

つい最近新聞に出てた文章で桜やオリーブなどを植えることも建築なのだと。
本当にそうですね、と思うのと同時に、自然を単に残すだけではなくそこに常に新しい価値を求めていく建築家としての姿勢も垣間見え、正直感激した文章でした。

05.04.30