■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

04.02:ことある毎に思うのですが

付近見取図

設計図の中に付近見取図というのがあります。
それは、その建物がどこのどういう場所に建つのか、そしてその場所へ行くのに最寄りの交通機関は何か、などを示す地図のようなものです。そして弊社も含めてほとんどが確認申請に必要な最小の事項のみを現しているのがほとんどのようですが、いつもこの図面をもっともっと大切に扱わないとと思っています。

つまりある建物がどこのどういう場所に建つのかを示すと言うことは、単にその場所の住所と行き方を示すだけでなく、周辺の状況とその関係なども含めて、もっとその場所の風土にまで関わる建物の根本的なあり方が問われた結果であるべきなのです。

我々の日々の仕事はいろんな局面で図面を作成し、それを元に検討を積み重ねて行くのですが、通常はその敷地内の範囲の図面がほとんどで、図面に示される周辺の範囲は大変狭く、例え計画をしないとしても、さらにその周辺の土地の形状や標高、山や谷、風の方向など、広範囲な眼を支える図面も必要だと思うのです。

大阪の物件として、通常の1/500や1/2,500のスケールに加え、大阪市レベル、近畿地方レベル、さらには日本地図、地球儀と言った本当に大きな眼での検討、考察が本来は必要で、そういう日々の業務の中での一種訓練のようなものが積み重なって風土というもの、あるいは日本と言うものの理解へと繋がっていくのではないかと、そう思うのです。

自分で書いて自分の耳が痛いのですが、直接必要でなくても、あるいはもう分かってるつもりでもやはりその都度落とし込んで見てみると言うのが大切かなと思います。

付近見取図と言う名称が悪いかな?これは多分役所の命名でしょう。
風土考察図、街並み関係図、なんかそんな感じの名称を一度付けてみたいと思ってます。
みなさんの事務所でユニークな図面があれば是非とも教えて下さい。

04.01.31