■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

03.01:また新たなる年にあたり

ごあいさつ03


新年あけましておめでとうございます。

一年が経つのが本当に早く感じます。
毎年いろんな事が起こり驚くばかりですが、ワールドカップに興奮し、拉致事件に驚愕した年でありました。
今年はどんな年になるのでしょうか、恐ろしいような、楽しみのような・・・

建築界はいぜんとしてパッとせず、弊社も引き続き大変厳しい状況には変わりありませんが、仲間達との創作の過程を大切にし、謙虚な気持ちでもの創りに励みたいと思っております。

もう一月ほど前になりますが、NEWS23で筑紫キャスターと加藤周一氏が京都をテーマに話をしていました。
そこで加藤氏が、京都の景観が建築工事や造成工事で壊されていくのを憂い、「変化と保全の緊張感がない、それが問題である」と喝破しておられたのが大変印象的でした。

「歴史都市と言えど何もすべてを保全することはない。ただ、変化と保全の間に何も葛藤や緊張感がなく、これでは新しいものに説得力が生まれず、価値ある物も残っていかない」との指摘で、なるほど納得であり、「壊すにしても涙がない」の下りには思わず膝を叩いてしまいました。
”解体現場に痛みを感じないものには建築の設計はできない”と所員に言ってきたのを改めて自分に言われたようで何だか緊張したりしてしまいました。

もの創りの心、今年はこれを意識していきたいと思います。
みなさまのご指導、本年もよろしくお願いいたします。

02.12.31