■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

01.09:少し改まって・・・

住まいのインテリア

住まいのインテリアはどんなものが相応しいのだろう。
今まで設計した住宅を振り返ると、一貫して連続する空間を求めてきたように思う。
ある一つのスペースがそこに止まらず、次のスペースへと繋がり、更にまた別のスペースに、そして外部にも繋がっていく、そんな連続していく空間が好きだ。
そこに居ると光や風に誘われるかのように 次から次へと自然と歩を進めていけるような、そんな 空間が好きだ。

住宅はよくnLDKと形容され、居間と食堂は無条件で、あとは親と子供の数だけ室数を何とか確保しようとする、各室は狭くなっても、狭い敷地の中に何とかその数を確保することが家造りの基本で、それで自分たちの家が成立する、そんな考えに特に疑問を持たず、あとは出窓や設備機器に眼や気持ちを奪われている建築主がまだまだ多いのではないだろうか。

そんな建築主には発想の転換を迫りたいわけだが、家族の変遷、学校の問題、社会の状況などなど、日々の生活の背後にある現実をふまえると、理念や夢よりまずは直面している現実の問題解決に家造りの答えも見つけようとするのも仕方のないことかもしれない。

しかし、 各スペースがあまりにも分断され、狭い家がますます狭くなり、暗く、風通 しの悪い家になっていくのを黙って見ているわけにはいかない。
何とか建築主の新しい家は住むにつれ本当に気持ちよく、日々の暮らしを乗り切るだけではなく、自分たちの生活を楽しむ家であって欲しい。
発想を変えてもらえば「眼から鱗」な話が家造りには一杯詰まっていると思う。 根拠がなくて僭越だが、昨今の子供たちの問題にもどこかで繋がっていくように思う。
やむを得ない、当たり前だと思っていたことを一度疑ってみる、こちらもそんな頭で臨まないと、と書いていて自戒もしている。

欧米に比べ我が国の家はまだまだ狭い。
その前提で間取りというか、家のプランは各スペースが連続し、大きなワンルームともなりうる空間が一番ではないかと思う。
そのような骨格を持ち、生活の現実に応じて建具や仕切を考えていく、そのような住まいのインテリアを継続して追求していきたいと思っています。

 

01.08.30