■ MAE today

この欄には当研究所の近況や、今思うことなどを概ね1回/月のペースで気ままに書いていこうと思っています。どうぞお気軽にお読みください。    → MAE board

00.08:今回は新しい法律「住宅品確法」についてです。

住宅品確法に思う

正式には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」と言うそうで、平成12年4月1日に施行されました。 内容は大きく次の二つです。
氈D主要部分の瑕疵担保期間を10年とする
.住宅の性能を9項目に分けて表示する制度の創設

日経アーキの最新7/24号には「まだまだ関心が低い」とありますが、 一般 ユーザーにとって欠陥住宅の不安から解消されたり、いろんな住宅の基本性能を横並びに比較できるのはいいことで、まずは住宅の品質を確保するものとして歓迎すべき内容のように思います。しかしその評価基準には疑問も残り、実際の運用においていろいろな問題が明らかになってくるようにも思えます。

それにしても良い住環境とは一体どういうものでしょうか?

自分の家が頑丈で、陽が射し込み風が通る、といったことはもちろん大切なんですが、周辺や街並みについての配慮の有無も自分たちの住環境へ大きく影響することがあまり意識されていない、のが現状ではないでしょうか
この品確法でもより自己の建物の事ばかり考える視点が強調されるのではと一抹の不安もよぎります。

先日神戸長田東地区のミニ開発コンペの結果が発表されましたが(当研究所は残念ながら落選)最優秀案へのコメントとして、「・・略・・住宅地内の豊かな外部空間がまちに対しても開かれており、居住者にとってもまちにとっても望ましいものとなっている。・・略・・」とあります。

今の住環境に欠けているのは、個々の品質もそうなのでしょうが、このような周辺に対する眼差し、そしてその積み重ねなのではないでしょうか。

00.07.28